日本は様々な災害が頻繁に起こる災害大国です。住んでいる地域が豪雨や地震に見舞われた場合、それまで当たり前のように供給されていたライフラインが途絶える恐れがあります。さらに、家や車などの財産にも影響が及ぶかもしれません。
災害が起きた時に身の安全や生活を守るためには、早めに必要な準備をしておくのがおすすめです。そこで今回は、日本の災害の状況や、どのような準備をすればよいかについて解説します。
近年の日本の災害状況
今回のテーマである豪雨や地震について、近年の日本国内での発生状況をご紹介します。なお、ここで取り上げるのは、特に甚大な被害があったものだけです。
1.豪雨
過去10年間で以下のような豪雨災害が発生しました。
・2011年9月 台風12号による豪雨(西日本各地)
・2013年10月 台風26号による豪雨(伊豆大島(東京都))
・2014年8月 豪雨による土砂災害(広島県)
・2016年8月 台風7号等による豪雨(北海道)
・2017年7月 九州北部豪雨(福岡・大分県)
・2018年7月 西日本豪雨(西日本各地)
・2019年8月 九州北部豪雨(福岡・佐賀・長崎県)
・2019年9月 台風19号による豪雨(東日本各地)
・2020年7月 令和2年7月豪雨(熊本県ほか九州地方)
ほぼ毎年、豪雨により大きな被害が出ていることが分かります。もちろん、死者や行方不明者が少ないケースも含めれば、さらに件数は多くなります。
2.地震
過去10年間で以下のような大地震が発生しました。
・2011年3月 東日本大震災(M9.0)
・2011年3月 長野県北部地震(M6.7)
・2011年4月 福島県浜通り地震(M7.0)
・2016年4月 熊本地震(M7.3)
・2016年4月 大分県中部地震(M5.3)
・2018年6月 大阪北部地震(M6.1)
・2018年9月 北海道胆振東部地震(M6.7)
地球上で発生する地震の1割が日本付近で起きていると言われます。小さな地震は日本では毎日のように発生していますが、生活を一変させるような大地震もいつ自分の身に降りかかるか分かりません。
具体的に何を準備すればよい?
災害に備えることが必要と言われるけれど、具体的に何をすればよいか分からないという方もいるのではないでしょうか。そこで、災害対策として必要な準備について解説します。
1.ハザードマップをチェックする
ハザードマップは、災害発生時の被害の程度や避難場所などが掲載された地図です。住んでいる地点の被害のリスクを確認し、避難場所への移動経路を決めることに役立ちます。自治体のホームページや役所(場)の窓口で閲覧できます。
2.避難場所を確認する
各自治体が、地域ごとに災害時の避難場所を指定しています。小中学校や地域の公民館などが指定されているケースが多いです。災害が起きてから焦らないように、あらかじめ避難場所を確認しておきましょう。
また、経路の確認のため、実際に自宅や会社から避難場所まで歩いてみましょう。安全に歩ける経路を見つけておけば、落ち着いて行動できるはずです。
3.生活必需品を備蓄しておく
災害の発生によって、電気や水道、ガスが止まってしまうケースは珍しくありません。それでも生活できるように、食料などの生活必需品を備蓄しておくことが重要です。
目安としては、ライフライン無しで3日間生活できるように準備するとよいでしょう。以下のようなものが備蓄品として欠かせません。
・飲料水(1日3L×3日分)
・食料品(缶詰、レトルト食品)
・カセットコンロ、ボンベ
・懐中電灯
・電池
・簡易トイレ
・トイレットペーパー
・常備薬
・給水袋(またはタンク)
災害発生の時期によっては、毛布やポータブルストーブなども必要です。また、赤ちゃんがいる家庭ではオムツやミルクが必須になるなど、家庭の状況によって必要なものは異なります。
4.家族内でルールを決める
災害は自宅に家族全員が揃っている時に起きるとは限りません。そのため、家族間で連絡手段や集合場所などのルールを決めておきましょう。
(1)連絡手段
災害が起きた地域には安否確認のための電話が集中するため、繋がりにくくなります。したがって、家族間で直接電話する以外の方法で連絡をとれるようにしましょう。
具体的には、以下のような手段が考えられます。
・遠方に住む親戚や知人を災害時の連絡先として決めておく
・SNSのメッセージ機能を利用する
・NTTの災害用伝言ダイヤルを利用する
(2)集合場所
待ち合わせ場所を決めておけば、家族が離れている間に災害が起きた場合でも、確実に会えるでしょう。
指定避難場所を集合場所とすることが多いでしょうが、地域住民が集まってくるので混雑します。そのため、曖昧な決め方だとうまく落ち合うことができません。
小学校であれば、敷地内にある特定の看板や遊具の前を集合場所にするなど、範囲を絞りましょう。
火災保険や自動車保険、公的支援制度を活用しましょう
被災して住宅や自動車が損害を受けた場合は、保険に加入していれば補償を受けられます。また、国による公的支援制度を利用できる場合もあるので、概要を把握しておきましょう。
1.罹災証明書があれば様々な支援が受けられる
罹災証明書は、建物の被害の程度を証明する書類です。自治体の担当窓口で罹災証明書を発行してもらえば、税金や医療費の減免などの支援が受けられることがあります。なお、罹災証明発行の申請には、現場の写真が必要なので注意しましょう。
2.火災保険は水災も補償してくれる
火災保険は、その名称から火災による損害しか補償されないと思っている方が少なくありません。実際には、豪雨のための洪水や土砂崩れによる被害も支払い要件はありますが補償範囲となります。契約内容によっては、住居だけでなく家財の損害に対しても保険金が支払われます。
3.地震保険は補償対象の範囲に注意
地震保険は、地震のほかに噴火や津波による損害を補償する保険です。建物と家財が補償対象ですが、建物に関しては住宅として使用されているものに限ります。つまり、人が住んでおらず店舗としてのみ使っている建物のほか、車庫や塀などは対象外です。
4.車両保険の補償内容を確認
災害によって車に損害があった場合、車両保険で補償が受けられます。ただし、一般的には豪雨で水没したなどの場合は補償されますが、地震による損害は対象外です。なお、保険会社によっては、特約を付帯することで地震に備えられる場合があります。
5.国から支援金が支給される場合もある
被災時には、公的な支援も受けられることがあります。「被災者生活再建支援制度」は、災害で住居が損害を受けた世帯が支援金をもらえる制度です。被害の状況に応じて金額は異なりますが、最大で300万円が支給されます。
まずは、お気軽にご相談下さい。
日本は自然災害が多く、発生時期は予測できません。準備を先延ばししている間に災害が襲ってくる可能性もあります。そのため、災害時に困らないよう、できるだけ早めに備えておきましょう。また、早めの準備が自分や家族を守ることに繋がります。
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