いくらもらえる遺族年金

遺族年金は、家庭で主な収入源として働いている人が事故や病気などで亡くなった場合に、残された家族のその後の生活資金として支給されます。

遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類がありますが、それぞれ支給されるための条件や額が異なります。

そこで今回は、両者の概要や、いくらもらえるかについて解説します。

遺族基礎年金とは

遺族基礎年金は、国民年金の被保険者が死亡した場合に支給対象になります。

国民年金は20歳からすべての国民が加入し、60歳になるまで継続する義務があります。

自営業者やフリーランスを始め、国民年金にのみ加入している人の家族がもらえるのは遺族基礎年金だけです。

ただし、すべての国民が加入するとはいえ、誰でももらえるわけではありません。

遺族基礎年金を受給するには、どのような要件があるのか確認しましょう。

遺族基礎年金は誰がもらえる?

遺族年金をもらうためには、国民年金の被保険者に対して、以下のような続柄である必要があります。

・以下の条件の子がいる配偶者

・年度末の時点で18歳以下の子

・20歳未満の障がい者(1・2級)の子

さらに、亡くなった人によって家計を支えられていたということも重要です。

生計を維持されていたと認められるには、遺族年金を受け取る人の前年の所得が6,555,000円未満である必要があります。

配偶者については、子供がいたとしても年齢条件に合わなければ、遺族基礎年金はもらえません。 子供がいない場合は死亡一時金を受給でき、年金の納付期間から決定された額がもらえます。

遺族基礎年金はいくらもらえる?

遺族基礎年金の額は毎年見直しが行われていますが、2020年4月からの支給額は以下のとおりです。

・一律支給額:781,700円

・子供が1~2人の場合:1人あたり224,900円

・子供が3人以上の場合:3人目以降は1人あたり75,000円

以上は年間の支給額で、子供が年齢の要件にあてはまっている間だけ支給されます。

すべての子供が19歳以上になる年度に入ると、それ以降は受給できません。

遺族厚生年金とは

遺族厚生年金は、会社員など厚生年金の被保険者が死亡した際に遺族に対して支払われる年金です

遺族基礎年金と同じく、亡くなった被保険者が主な収入源だったと認められる必要があります。

遺族基礎年金の受給要件も満たせば、両方の年金を受け取ることができます。

遺族厚生年金は誰がもらえる?

遺族厚生年金を受け取れる人は以下のとおりですが、優先順位が決まっています。

優先順位 被保険者に対する続柄
1位 ・妻
・夫(55歳以上)
・子(年度末の時点で18歳以下または20歳未満の障がい者(1・2級))
2位 父母(55歳以上)
3位 孫(年度末の時点で18歳以下または20歳未満の障がい者(1・2級))
4位 祖父母(55歳以上)

遺族基礎年金は配偶者に子供がいることが条件でした。

しかし、遺族厚生年金は子供がいなくても受給可能で、父母や祖父母でももらえる可能性があります。

また、妻を亡くした夫は54歳以下であれば遺族厚生年金はもらえません。

さらに、夫・父母・祖父母への支給が開始されるのは60歳になってからになります。

老齢厚生年金の受給資格が25年以上の人や、障害厚生年金(1・2級)を受給していた人が亡くなった場合も年金支給の対象になります。

生計を維持されていたと判断される所得は、遺族基礎年金の場合と同じです。

遺族厚生年金はいくらもらえる?

遺族厚生年金でもらえるお金は所定の計算式にあてはめて算出しますが、非常に複雑です。

支給額の決定には標準報酬月額や被保険者である期間が重要となります。

参考に、被保険者期間が30年の場合の支給額の目安を示します。

標準報酬月額 年額 月額
200,000円 295,965円 24,664円
300,000円 443,948円 36,996円
400,000円 591,930円 49,328円
500,000円 739,913円 61,659円

遺族厚生年金がどれくらいの期間もらえるかは、被保険者が死亡した時点での遺族の年齢や子供がいるかどうかで決まります。

子供がおらず30歳未満の妻が遺族厚生年金をもらえるのは5年間だけです。

これは、若年で子供がいなければ、仕事をして自活できる確率が高いと判断できるためです。

また、妻の子供の年齢が上がって遺族基礎年金の支給が終了となった後、生活資金が一気に少なくなり、家計が苦しくなるおそれがあります。

そのため、妻が40~65歳で対象となる子供がいない場合、「中高齢寡婦加算」で年金額が増額になります。

妻が65歳になるまでの間、2020年4月現在で年額586,300円が遺族厚生年金に上乗せされ支払われます。

65歳以降は自身の老齢基礎年金の支給が始まるので、加算はなくなります。

また、60~65歳で子供がいない妻には、夫の老齢基礎年金の4分の3を受け取れる「寡婦年金」の制度もあります。

なお、夫にはこれらのような制度はありません。

まとめ

遺族年金の制度の概要や受給額について解説してきました。

遺族年金は家族構成や年齢などによって、もらえる額や期間が異なります。

家計を支えてきた家族がいなくなるのは、精神的にも経済的にも大きな負担となります。

だからこそ、万が一のことが起きた際にどれくらいの遺族年金を受け取れるのか把握することは重要なことです。

遺族年金は複雑な制度ですので、分からないことや不安なことがあれば、ファイナンシャルプランナーに相談することも検討してみてください。


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小林 健太郎

小林 健太郎ファイナンシャルプランナー

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大手損害保険会社で損害・生命保険のアドバイザーとして活動。その実績が評価され2010年T&Tネットワーク(株)へ入社。
保険を扱っていくことで親和性の高さに気付き相続診断士資格を取得。「終活出前講座」の講師を務める。
2020年7月(株)デザインライフと事業統合を行い、広島支店長に就任。
特に中高齢者層の人気と信頼が厚いファイナンシャルプランナー。

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