人生が100年にもなるという超長寿社会が現実のものになろうとしている日本。近年、老後に必要な生活資金などを「公的年金などの社会保障制度を頼るだけでなく、自分自身が努力して準備する必要がありそうだ」といった話がよく聞かれるようになりました。これに伴い、投資信託や債券などを用いた資産形成に関心を寄せるひとも増えてきているようです。
一方で、多くの人が、老後を含めた人生に必要なお金の準備・管理をどのようにやっていけばいいのか分からない、と不安を感じているとの話も聞かれます。
お金の色分け
目的に合った資産形成のために、まずは「お金の色分け」をしてみましょう。
入ってくる収入が変わらないとすれば、工夫をしないといけません。それは、入ってきたお金(収入)をしっかりと整理するということです。それが、理想の人生を送るための第一歩になります。 まずは入ってきたお金を色分けしましょう!
①【つかうお金(流動性資金)】1年以内
日常における生活費や突然の怪我や病気など何かがあったときのために、すぐに使えるようにしておくお金で、換金性が大事です。生活費の3ヶ月程度が目安といわれています。
②【まもるお金(安定性資金)】3~10年程度
お子さまの入学資金、結婚資金、マイホーム取得の資金(頭金)など、将来使う目的や時期が決まっているお金で、元本を減らさないように堅実に増やすことが大事です。
③【ふやす・のこすお金(収益性資金)】15年超~
将来必要になる老後の生活資金やゆとりある生活を送るための資金、家族に残したいと思うなど、当面は使う予定のないお金で、収益性を考慮に入れて金融商品を選ぶことが大事です。
長生きに備えた資産形成の重要性は高まりつつあるものの目標のない資産形成はなかなか長続きしません。そのためまずは「60歳までに老後資金としていくら準備する」といった目標を設定することから始めたいですね。
貯蓄と投資
将来に向けてお金を準備するには、「資産形成」を行っていくことになりますが、資産形成には、「貯蓄」と「投資」の2つの方法があります。
一般的には、「貯蓄」とはお金を蓄えることで、銀行の預金などがこれに当たります。低金利の日本においてはお金をふやす機能は低いですね。
一方、「投資」とは利益を見込んでお金を出すことで、株式や投資信託などの購入がこの「投資」に当たります。長い期間をかけて少しずつ増やしていくと良いでしょう。値上がりや利益の分配などを通じて、預貯金よりも利益を得られる可能性が高いという性質がありますが、投資には「リスク」があります。
そのため投資は怖い・・・そう考えている方が多いのではないでしょうか。
投資における「リスク」は、私たちが日常で使うリスク(=危険なこと)とは少し意味が違います。
投資における「リスク」とは、リターンの変動(ブレ)のことを表し、リターンの変動幅が小さいことを「リスクが低い」、変動幅が大きいことを「リスクが高い」と呼びます。
このリスクを上手にコントロールして、コツコツとお金を増やしていく方法があります。それが、「長期・積立・分散」による投資です。
長期・分散・積立投資とは?
①長期投資
長期投資とは、その名の通り、じっくりと資産形成するために長期にわたって金融商品を保有し続ける投資方法です。
②分散投資
分散投資は、投資先や購入する時期を分散させることで、価格の変動を抑え、安定したリターンを狙う投資方法です。
③積立投資
積立投資とは、自分が決めたタイミング・金額で定期的に金融商品を購入する投資方法です。
特に、定額で購入する方法は「ドル・コスト平均法」といって、「長期・積立・分散投資」を実践するうえでの大きな武器となります。
投資の基本「長期・分散・積立」この3つにあてはめて投資をすることでリスクを最小限にすることができます。
税制優遇制度
資産運用の力を利用して老後まで「長期・分散・つみたて投資」で資産形成をする必要性が注目された結果、近年のiDeCoとNISAブームにつながっていると言えるでしょう。
雑誌や情報番組でも取り上げられることも増えてきたため、気になっているという人も多いのではないでしょうか。
iDeCoは個人型確定拠出年金、NISAは少額投資非課税制度という、いずれも資産形成のための税制優遇制度です。 iDeCoもNISAもあくまで節税制度の一つですので、一番大切なことは「どの商品で運用するか」です。日本国内には投資信託だけでも6000本以上存在します。この中から自分にはどの商品が最適かを選ぶのは難しくて当然ですが、どちらの制度も共通しているのは「自分で運用する」必要があるということです。「自分で運用する」とは、自分でどのような運用商品にいくら投資すべきかを決めなければならないということです。
まとめ
資産形成はさまざまなリスクを正しく認識したうえで、自分自身の判断と責任に基づいて行なわなければなりません。そのためにも正しい知識を身につける必要があります。
まずは「興味を持つ」こと、そして「知る」ことが大事。これはすべてのことに共通することだと思います。
どの商品で運用すべきかはその人の投資目的や資産の状況、運用の目標金額や期間によってどんな商品で運用していくのがベストなのかは異なります。
自分にとってのベストな商品探しに迷ったら、ファイナンシャルプランナー等の専門家に相談することをおすすめします。
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