介護保険制度とは?どの様な制度なのか解説します

介護保険制度と聞いても、どの様な制度なのかよく理解されていない方も多いのではないでしょうか?超高齢社会の中、今後益々介護が必要な人が急増すると言われている時代で、介護保険制度を利用するケースが増えてくると言えます。

それでは、介護保険制度とはどんな制度なのかご説明しましょう。

介護保険制度とは?

介護保険制度とは、要支援者や要介護者に、介護費用の一部を負担する制度です。いわば全国の小支援者や要介護者を社会全体で支えるための制度であり、当然ながら介護保険制度を利用するには審査に通過しなければなりません。

この制度は介護保険を利用する人の自立支援を目指し、利用者が本意でサービス利用ができること、そして社会保険方式を採用しているという仕組みになっており、この制度を利用する人を介護保険制度を直接運営している市町村及び特別区の『保険者』、介護保険制度を利用する『被保険者』介護サービスを提供する『サービス提供事業者』と呼んでいます。

なお、制度を利用する人は1割を自己負担することになりますが、前年度の所得次第では2割か3割の保険料を支払う必要性があります。

たとえば65歳で一人暮らしをしている場合、年金収入とその他の合計所得額が280万円以上340万円未満の場合は2割負担になります。

また、年金収入とその他の合計所得額が340万円以上の場合は3割負担になります。

さらに、夫婦の場合は、年金収入とその他の合計所得額が346万円以上の場合は2割負担になり、463万円以上で3割負担となります。

介護保険制度を利用するには?

介護保険制度は基本的に40歳以上になると加入が義務付けられるため、誰でも自動的に加入することになります。また、制度の対象になるのは64歳以上の第1号被保険者と40歳~65歳までの第2号被保険者となり、保険料の支払い義務が発生します。

しかし、ここで注意しておきたいのは、支払い義務が発生するというだけで、実際に介護サービスが受けられるというわけではないことです。実際に介護保険制度が無条件で利用できるのは第1号被保険者のみで、第2号被保険者が制度を利用するには、老化に起因する以下の疾病を発症していることが条件です。

• 関節リウマチ

• 末期がん

• 筋萎縮性側索硬化症

• 後縦靱帯骨化症

• 骨折を伴う骨粗鬆症

• 初老期における認知症

• 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病

• 脊髄小脳変性症

• 脊柱管狭窄症

• 早老症

• 多系統萎縮症

• 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症

• 脳血管疾患

• 閉塞性動脈硬化症

• 慢性閉塞性肺疾患

• 変形性関節症(両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う)

以上の疾病を発症しない限り、介護保険制度を利用することはできません。なお、保険料は健康保険料と一緒に徴収されるので確認してみましょう。

介護保険の上限金額

介護保険における給付額には限度があり、介護度が重いほど限度額も高くなります。以下が、介護度の限度給付額と負担額です。

介護度 給付限度額 1割負担額 2割負担額 3割負担額
要支援1 5万320円 5032円 1万64円 1万5096円
要支援2 10万5310円 1万531円 2万1062円 3万1593円
要介護1 16万7650円 1万6765円 3万3530円 5万295円
要介護2 19万7050円 1万9705円 3万9410円 5万9115円
要介護3 27万480円 2万7048円 5万4096円 8万1144円
要介護4 30万9380円 3万938円 6万1876円 9万2814円
要介護5 36万2170円 3万6217円 7万2434円 10万8651円

なお、限度額以上のサービスを受けたい場合は全額自己負担になるので注意しましょう。

介護保険制度を利用する流れ

介護保険制度によって介護サービスを利用する場合、保険料さえ支払っていれば誰でも介護サービスが利用できるわけではありません。

まず、介護サービスを利用するには要支援者、または要介護認定を受けなければなりません。65歳以上になると自治体から介護保険被保険者証が郵送されるので、基本的にこの保険証を持って要支援者、または要介護認定を受けることになります。

要支援者・要介護認定を受けるには、まず住んでいる地域の介護保険担当窓口で申請する必要性があります。そこで日程調整を行った後、認定調査員が認定に足る身体機能なのか自宅にやってくるので、日常生活の状況を交えつつ身体機能をチェックします。

その場で結果は出せないので1ヶ月ほど認定結果を待ちましょう。そして調査の結果、要支援者と認められれば地域包括支援センターに相談し、要介護認定を受けたらケアマネージャーに相談することになります。

介護保険で受けられるサービスについて

要介護認定を受けた方は、以下のような介護サービスを利用することができます。

居宅介護支援 ・ケアプランの作成 ・家族の相談対応など
居宅サービス ・訪問型サービス
訪問介護、生活援助、身体介護、訪問看護、訪問入浴介護、訪問リハビリ、居宅療養管理指導、定期巡回・臨時対応型訪問介護看護
・通所型サービス
デイサービス、デイケア、認知症対応型通所介護
・短期滞在型サービス
ショートステイとなっていて、施設等に短期間だけ宿泊して食事や入浴などを初めとする支援やリハビリの支援などを行います
施設サービス ・特別養護老人ホーム ・介護老人保健施設 ・介護療養型医療施設
福祉用語に関するサービス 介護ベッドや車いすのレンタルなど
住宅改修 バリアフリーや手すりの設置を初めとする住宅改修

まとめ

介護保険制度は40歳~64歳までは厚生労働省に定められた特定疾病を要因とした際に使える可能性のある制度となります。65歳以上になると介護保険被保険者証が自治体から送付されます。日常生活においての身体的な機能低下や認知機能の低下などがある場合は、最寄りの地域包括支援センターへ相談することをお勧めします。

介護保険制度を利用してどの様なサービスを受けることが出来るのか、どれぐらいの費用負担が発生するのか等、介護状態になる前に知っておき、ご自身の希望を持っておくことが大切なことです。

気になることがあればファイナンシャルプランナーまでご相談下さい。

電話で相談

LINEで相談

メールフォームから相談

※ご相談・お問合せをご希望の方は、上記のボタンからお進み下さい。
※ご相談は無料。面前での個別相談をご希望の場合はご予約が必要です。

小林 健太郎

小林 健太郎ファイナンシャルプランナー

記事一覧

大手損害保険会社で損害・生命保険のアドバイザーとして活動。その実績が評価され2010年T&Tネットワーク(株)へ入社。
保険を扱っていくことで親和性の高さに気付き相続診断士資格を取得。「終活出前講座」の講師を務める。
2020年7月(株)デザインライフと事業統合を行い、広島支店長に就任。
特に中高齢者層の人気と信頼が厚いファイナンシャルプランナー。

関連記事

近日開催セミナー

  1. R6.11〜R7.3(全12講座):広島:相続コンサルタント養成講座-デザインライフ式

  2. 11/30(土):広島 並木通り:相続登記義務化による影響と空き家対策

  3. 11/30(土):広島 並木通り:家族と資産を守るために知っておきたい!相続・贈与対策の「罠」

  4. 11/30(土):広島 並木通り :相続コンサルタントが推奨する不動産投資手法の全て

  5. 12/4(水):広島 並木通り:新NISAだけで本当に大丈夫?iDeCoとのバランスで安心の未来を築く