前回のコラムでは「相続コンサルタントとは?」という部分について書かせていただきましたが、
今回は「なぜ相続コンサルタントが必要か?」という部分を書かせていただきたいと思います。
前回のコラムで、相続コンサルタントは「イニシアチブ」(開始、先制、率先、先導)を取れる存在であるというお話をしました。
もちろん「イニシアチブ」を取れる存在が必要であるから、コンサルタントが必要であると言えますが、それだけではありません。
この辺りを具体的にお話します。
相続の専門家はだれ?
まず、みなさんは相続の専門家とは、どこの誰だと思いますか?
弁護士?司法書士?行政書士?税理士?宅建士?土地家屋調査士?ファイナンシャルプランナー?
さまざまな専門家がいらっしゃいますが、
はっきり言って、前記全てが相続の専門家と言えると思います。
しかし、当然ですが全ての方に、全ての専門家が必要なわけではありません。
お客様によっては「この業種は今回の相続対策には関係ないよね。」という方が出てきます。
それはなぜかと言うと、
相続の問題は、人それぞれで、問題が違えば、必要な対策、そして必要な専門家も変わるから。ということなのです。
例えば、今まさに父が亡くなり、相続手続きとなっている方がいるとします。
相続人は子供3人のみ。
被相続人である、お父さんの財産は土地と少しの金融資産だったとし、遺産総額は、税務上の評価で1億円。
この場合に、みなさんはまず誰に相談に行きますか?
ほとんどの方は、おそらく税理士の先生に相談に行かれるのではないでしょうか?
では、税務上の評価が、1,000万円だった場合はどうでしょうか?
この場合は税務が関係ないので、税理士さんには相談に行かれないと思います。
おそらく、司法書士の先生に名義変更の手続きの相談に行かれるのではないでしょうか?
というように、必要な専門家はその都度、状況によって変わっていきますね。
では、1億円の遺産を子供3人で協議した際、折り合いがつかず、喧嘩になってしまい、兄弟3人が話し合うことができなくなった(会うことすらできない状態)場合、誰に相談しますか?
この場合は、弁護士の先生に相談されるでしょう。
しかし、弁護士の先生は、税務、不動産について専門ではありません。
でも、前記のとおり協議中から相続税の申告についても考えなければいけません。
協議が長引けば、申告期限に間に合わなくなる可能性があるからです。
この場合は、早くから税理士の先生に依頼して申告資料について調査し、必要な資料の取りまとめを並行して進めていかなければいけません。
また、協議の内容によっては、土地を売却しなければいけない可能性もあります。
その場合、土地の時価額がいくらになるのか?評価する必要があります。
この時価額を出すためには、土地の接道状況、インフラ環境、用途地域、境界なども確認する必要がありますが、これは、宅地建物取引士、土地家屋調査士、に依頼する必要がありますね。
上記の通り、必要な専門家は、何を実行するか?によって変わっていきます。
専門家は当然、依頼を受けたことに対して集中して取り組みます。
上記の例で、例えば最初に弁護士の先生に頼んだとして、協議だけを進めていき、長引いてしまうと、期限内に税務が間に合わなくなる不安があります。
弁護士の先生に相談があった当初から、税理士、宅建士、土地家屋調査士、と連携して、協議も税務も分割等の対策も合わせて進めていくことが最善です。
どれかが欠けていると、スムーズに進まない時が必ず来てしまいます。
リーダーシップが必要!
では、このように複数の専門家が必要になった場合に、誰がリーダーシップをとって必要な資料の取りまとめや、今後の計画などの段取り(次に必要な情報収集や調査、専門家への依頼、情報共有など)をしていくのでしょう?
ここで登場するのが「相続コンサルタント」です。
相続コンサルタントの報酬が余分にかかるのでは?と心配されるかもしれませんが、実はそんなことはありません。(協議が複雑化している場合を除く。)
相続コンサルタントはチームとして動きます。他業務がある場合、その業務をチーム内の税理士、司法書士、宅建士、土地家屋調査士などと業務分担して行います。
したがって、その中で業務を割り振り、その業務に係る正当な対価を報酬としてお客様に請求します。
結果的に、
①相続コンサルタントを入口として依頼する場合
②部分部分で必要な専門家に依頼する場合
では、ほとんど報酬額に大差がでないはずで、逆に安くなることすらあり得ます。
これは、専門家の報酬額が業務量によって判断されるからです。
①と②、つまり相続コンサルタントがいるか、いないかによって、お客様の負担が軽減されることはもちろんですが、同時に各専門家にかかる負担も大きく軽減されているのです。
①、②どちらを選んでも、部分的な業務は完了するかもしれません。
しかし、前述の通り、全体的な対策行程を効率よく円滑に進めていくということを考えた場合、都度、必要な専門家への相談や情報共有、信頼、決断という作業は心身的にも負担が大きくなります。
①の場合では、全ての業務に関して窓口が1人。各種相談もまずは「この人」というのが決まりますので、相談する方も安心なはずです。
上記は、相続発生後の話でしたが、生前の相続対策でも同じことが言えます。
むしろ生前の方が、専門家との連携や対策行程、全体像の把握といった部分が必要なケースが多く、都度検討する対策の種類が多種にわたり選択肢も多いため、相続コンサルタントが必要となることが多いと思います。
次回は争族の問題について具体的にお話しさせていただきたいと思います。
それでは。
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